「えっ?腰が痛いなら寝ていた方が治るんじゃないの?」
実はその考え方は、医療の世界では少しずつ変わってきています。
今では手術をした患者さんでさえ、できるだけ早く歩き始める時代です。
では、腰痛はどうなのでしょうか?
「腰を痛めたから、しばらく寝ていよう。」
そう考える方は少なくありません。
昔は「腰痛になったら安静に」と言われることが多くありました。しかし現在では、その考え方は少しずつ変わってきています。
もちろん、激しい痛みがある直後に無理をして動く必要はありません。
ですが、必要以上に安静にし続けることが、かえって回復を遅らせてしまう場合があることが分かってきています。
実は、この考え方は腰痛だけではありません。
医療の現場では、以前は手術をすると何日もベッドで安静に過ごすことが一般的でした。しかし現在では、手術の種類や患者さんの状態にもよりますが、できるだけ早く起き上がり、歩き始めることが勧められるケースが多くなっています。
「手術をしたのに、もう歩くの?」
と驚かれるかもしれません。
それでも早く動き始めるのは、
- 筋力の低下を防ぐ
- 血流を良くする
- 肺炎や血栓などの合併症を防ぐ
- 日常生活への復帰を早める
といった多くのメリットがあるからです。
つまり、医療全体が**「安静第一」から「適切に動いて回復を促す」**という考え方へ変わってきているのです。
もちろん、これは「痛くても我慢して動きましょう」という意味ではありません。
腰痛でも、足に力が入らない、強いしびれがある、排尿や排便の異常がある、大きな外傷のあとなどは、早急に医療機関を受診する必要があります。
また、動くことで痛みがどんどん強くなるような場合も無理は禁物です。
大切なのは、痛みと相談しながら、無理のない範囲で少しずつ体を動かすことです。
長く寝ていると筋肉は硬くなり、関節も動きにくくなります。
すると、
「痛いから動かない」
↓
「動かないから体が硬くなる」
↓
「さらに動けなくなる」
という悪循環に陥ってしまうことがあります。
当院では、痛みを抑えることだけを目的にはしていません。
筋肉や関節の動きを整え、患者さん自身が動きやすい体を取り戻すことを大切にしています。
鍼灸や手技療法は、「動いてはいけない体」を作るためではなく、「安心して動ける体」を作るためのサポートです。
昔の常識が、今も正しいとは限りません。
腰痛だからといって、ただ寝ているだけでは良くならないこともあります。
適切な治療と、適切なタイミングで体を動かすこと。
それが、回復への近道になることは少なくありません。
「痛いから動けない」と諦める前に、一度ご相談ください。
次回は「湿布で治ると思っていませんか?」をお届けします。
